【ライブレポ】SHE'Sがオーケストラを率いてホール公演「俺たちの音楽はあなたの味方です」

エンタメレポート

【ライブレポ×セトリ】大阪出身のピアノロックバンド、SHE'Sがオーケストラを率いて演奏した「Sinfonia “Chronicle“♯1」中野サンプラザ公演のライブをレポートします!ドラマティックな音楽を贅沢に味わってきました。

美味 美味 2018年6月8日

クリップ

SHE’Sの音楽とオーケストラの共演「Sinfonia “Chronicle“♯1」

SHE’Sは、大阪出身のピアノロックバンドで、大きな特徴はフロントマンの井上竜馬さんがピアノを弾いて歌うこと。

バンドサウンドの中で美しいピアノの旋律と耳にすんなり馴染むメロディが際立って、ロックに親しむ人もポップスに親しむ人も聴きやすく、聴いてるうちに好きになっちゃいそうなバンドです。

私は以前SHE’Sのライブを見たことがあって、あの4人でもドラマチックな音楽にさらにオーケストラが加わるとどれほど感動的になるんだろうと、期待して会場に向かいました。

今回訪れたのは、「Sinfonia “Chronicle“♯1」中野サンプラザ公演(5月27日)。

Photo by:MASANORI FUJIKAWA

この題名には交響曲の語源となる「sinfonia」と年代記を意味する「chronicle」を連ね、オーケストラと共にするバンドをこれからも続けたいという意味が込められているそうです。

また、略すと「シンクロ」になることから、お客さんとシンクロしたいという意味もあるそう。

 

SHE’Sの4人とストリングス4人にホーン隊3人、計11人が曲ごとに次々と編成を変え、終始高い熱量で進んでいったライブをレポートします。

 

SHE’Sの歌詞

 

SHE’Sの楽曲の歌詞は、柔らかく、優しく、世界を見ていたり、眺めているようなものが多いです。

セトリとともに歌詞の一部を記載しますので、好きだと思ったものがあれば是非実際に曲を聴いてみてください。

 

「Sinfonia “Chronicle“♯1」セトリとライブレポ

 

 Morning Glow(+ストリングス4人)

 Un-science(+ストリングス4人)

はじまりの2曲はSHE’Sとストリングス4人とともに演奏されました。

会場が暗転し、メンバーがステージに登場。音楽に観客が手拍子をし始め、やがて「Morning Glow」のイントロが流れ出すと会場の興奮は一気に高まります。

メンバーも観客もライブが始まる喜びを発散しているような一曲目でした。

Photo by:MASANORI FUJIKAWA

後悔も前進も停滞すらもすべて意味あって

僕は 僕へ辿り着けた

(Morning Glow)

 

1曲目「Morning Glow」が終わると井上さんが「大阪、SHE’Sです」と挨拶し二曲目に。

ストリングスの特徴的なイントロが始まり、オーケストラとのライブであることを実感します。

このライブの、「シンクロしたい」という思いを象徴するような歌詞の曲です。

一人じゃないから 共鳴していくんだよ

波打つ鼓動に乗って響いていく

(Un-science)

 

 Freedom

「自由に楽しんでください」という言葉から始まった三曲目はバンドのみでの演奏。

ギターのカッティングに会場中が体を揺らします。

Photo by:MASANORI FUJIKAWA

好き勝手したいんじゃなくて

選べる僕でいたいだけだった

ここで起きるすべては起こすすべてだと

(Freedom)

 

MC1

※メンバーは4人とも関西弁で話していましたが、私が関西弁で文字に起こそうとするとどうしてもエセな感じになってしまうのでMCはすべて標準語にしてあります。ごめんなさい。

服部栞汰(Gt.)2日目も楽しいね!みんな、ライブの名前通りシンクロして楽しんでください

井上竜馬(Vo.)上京して1年ちょいだけど、中野は初めて来た。(マイクに顎をぶつける)

広瀬臣吾(Ba.)俺はきたことある。ブロードウェイが好き。カメラとかレトロなおもちゃとかあって

 

 Beautiful Day(+ホーン3)

5 Isolation (+ストリングス4)

6 Just Find What You’d Carry Out(+ストリングス4 ホーン3)

 Flare

 White

 Long Goodbye(ストリングス4)

 

「最高に美しい日にしましょう」の一言から始まった「Beautiful Day」。

この日初めてのホーン隊の登場です。

続いて歪んだギターソロから始まる「Isolation」。

Photo by:MASANORI FUJIKAWA

くだらない 意味もない

僕が僕であること 誰も求めていない

(Isolation)

Photo by:MASANORI FUJIKAWA

6曲目「Just Find What You’d Carry Out」ではついにストリングスとホーンが勢ぞろいする編成に。

疾走感のある曲にオーケストラが加わり音の幅が広がります。

7曲目「Flare」はピアノソロ、シンセサウンドが絡み合う感動的なスタート。

8曲目「White」もやわらかいピアノソロからはじまる、結婚式の日の曲です。

会場の雰囲気も一転、優しい音楽に耳を傾けます。

まるで最初のような

最後の恋をしよう

(white)

9曲目は「Long Goodbye」。その名の通りお別れの曲です。

夕陽のような照明で、この曲で歌われている風景の中にSHE’Sが実際にいるようでした。

Photo by:MASANORI FUJIKAWA

“失って強くなっていく“と聞いても 誰も何一つと失いたくないのに

正当化なら容易いもんさ 僕次第だろう

信じられないんじゃなくて 信じたくないだけ

(Long Goodbye)

 

MC2

井上竜馬(Vo.)「White」っていう幸せな結婚式の歌のあとに「Long Goodbye」っていう別れの歌を歌うっていう(笑)セトリ組むときも、これでいいのかなってちょっと思ったんだよね

広瀬臣吾(Ba.)もしかしたら深いテーマかもしれないよ?

井上竜馬(Vo.)深いってどんな?

広瀬臣吾(Ba.)…わかんない

 

10 Evergreen(Vo.アコギ +ストリングス4 ホーン3)

11 パレードが終わる頃(+ホーン3)

 

10曲目「Evergreen」は、フルートのソロからはじまりました。

そしてその日初めて井上さんがアコギを持ちました。この曲では動き回ることができて嬉しそうでした。舞台をはじからはじまで跳ね回って、お客さんの歓声を煽ります。

曲中にはシンガロングもあり、井上さんの甘い声に続いて会場中が声を合わせました。

11曲目「パレードが終わる頃」は井上さんが鳴らす軽快な笛の音から始まりました。会場の雰囲気がぱっと陽気になります。

暗い物事をくぐり抜けて迷い振り返りながらも進んでいく曲です。

Photo by:MASANORI FUJIKAWA

ああこのパレードが終わる頃

僕は歓びの種を残せるかな

(パレードが終わる頃)

 

この曲が終わると、井上さん以外のメンバーは舞台から捌けました。

 

井上竜馬(Vo.)一人になっちゃいました。

今日は久しぶりにやる曲も多いけど、次の曲もとても久しぶり。5年ぶりくらいかな?にやる曲です。

やってってよく言われていたけど、どうしても歌えなかった。書いた時と同じ気持ちで歌うことがどうしてもできなくて。

これは失恋の歌です。ただ、違う捉え方をすれば、今でも歌えるんじゃないかと、ようやく最近思うことができました。

もう6年前くらいかな。そのとき付き合ってた彼女に、[私の幸せをあんたが決めるな]って言われたことがあって。

そのあと、カンボジアに旅したんです。最貧国です。ほんの小さい子供たちも、流暢に英語を喋っていました。

英語で旅行客に話しかけてお金をもらうために練習しているそうです。

子供の中には、生まれたときに手足を切断されてしまう子もいる。そうまでして同情を買って、お金を持っている人にお金をもらわないと生きていけないからです。

そんなカンボジアで出会った人にもこう言われました。

[自分は不幸ではないと思ってる。]

それを言われたときに、ああ、自分はまた、自分の物差しで他人の幸せを計ってしまっていたんだ、と思いました。

次の曲、「幸せ」、という曲です。

 

12 幸せ(+ストリングス4)

「それが幸せ」とベッドに寝転んで

「何もいらない」と君は

「私の幸せは私が決める」って

愛してくれてたんだね

(幸せ)

 

ピアノ弾き語りから始まり、2番からストリングスが、2番のサビからバンドが加わりました。

センチメンタルなメロディに乗せて、幸せな生活とそれとのお別れを歌い上げます。

Photo by:MASANORI FUJIKAWA

井上竜馬(Vo.) そんな風に、生きてる人間の方が、いろんなものを求めて、彷徨うのかもしれません

13 Ghost (+ストリングス4)

14 Night Owl(+ストリングス4)

Photo by:MASANORI FUJIKAWA

13曲目「Ghost」は、前の曲の過去を彷徨う雰囲気を引き摺りました。

ゆらゆらと漂いここにいない人を求め

愛の記憶に従い彷徨う亡霊

どこへ行くのかも知らぬまま

(Ghost)

 

MC3

広瀬臣吾(Ba.)ここで一回すわってみよう。せっかくホールだしね。2回(公演)しかできないのが悔しい。今回バックにストリングスとホーン隊がいるのはやっぱりいい

 

15 Voice

16 遠くまで

17 The World Lost You(ストリングス4)

18 Over You(Vo.アコギ +ストリングス4 ホーン3)

Photo by:MASANORI FUJIKAWA

君の声を聞かせてほしい、というメッセージの「Voice」では、実際にお客さんにマイクが向けられました。

君の声が聞こえるように耳を澄ましているから

瞼の裏 逃げ込んだ涙の行方を

僕に話してみてよ

(Voice)

17曲目「The World Lost You」は、失ったものに縛られながら生きていくことを肯定する曲。

切なく壮大なメロディにバンドとストリングスが寄り添い、思い出に守られて生きようという思いが心に染み込んできました。

探し出してよ 記憶のかけらを

僕は今も繋がっていたいんだよ

思い出に縛られて生きていくのさ

(The World Lost You)

 

18曲目「Over You」は井上さんがまたアコギを持ち、オーケストラもフルメンバーで華やかな演奏でした。

井上さんは舞台を駆け回り、飛び跳ね、踊りまわっていました。見ている全員がハッピーな気分に。今と地続きの未来を祝福する歌です。

Photo by:MASANORI FUJIKAWA

恋焦がれた未来の

ずっと遠くで光る僕がいた

(Over You)

 

MC4

井上竜馬(Vo.)おなかすいてきた。って、こんなことステージで言ったやつ、前代未聞かな。…みなさんごはん食べてきましたか?

東京っていっぱいご飯屋さんあるね。東京来てから知ったもん。チーズタッカルビのこと。そういえばさ、みんな東京来てから1人暮らし始めたよね。自炊とかする?

広瀬臣吾(Ba.)自炊とかも余裕でする

井上竜馬(Vo.)っていうかこの人ね、サーターアンダギー自分で作るんだよ。怖くない?一人暮らしでサーターアンダギー作る人

広瀬臣吾(Ba.)サーターアンダギー売ってないから、作るしかないじゃん

木村雅人(Dr.)俺料理ムリ。刺身とか食べてる。でもこの人(井上さん)も食生活おかしいからね

井上竜馬(Vo.)俺ね、キャベツめくりながら食べたりする。あんまり食に興味ないんだよね。たまに自炊もするけどさ、飯の気分じゃないときあるじゃん。

そんで何も食べないでいると、夜さすがにお腹空くじゃん。でも冷蔵庫にキャベツしかなくて。それを一枚ずつめくって食べた

 

井上竜馬(Vo.)俺はね、実家が大阪で、今は上京してきてるんですけど、おととい大阪でライブがあったんで、久しぶりに帰りました。

家族はあったかいです。ホッとする。どんなにむめいであっても応援してくれました。でもね、家に居場所がない人もいると思う。

そういう人たちにとって、音楽が鳴る場所が安心する、ホッとする場所であったらいいなと思います。自分の居場所を作るために歌おうか!

19 Home(+ストリングス4 ホーン3)

帰りたい場所がある

会いたい人がいる

そう思えるだけで

この道はきっと正しい

(Home)

何度もシンガロングを繰り返し、大歓声と熱狂の渦の中で中野サンプラザ公演は終了しました。

 

アンコール

観客のアンコールに答え、メンバーがステージに戻ってきました!

En1 歓びの陽(+ストリングス4)

アンコール1曲目は新曲の披露でした。

今日これまで聴いてきたSHE’Sの曲とは印象が違い、特に前半はEDMのようにシンセが目立ちました。

後半はバンドサウンドが徐々に強くなっていました。新しいかっこよさのSHE’Sです。

 

MC

井上竜馬(Vo.)俺は俺が全然好きになれなくて、俺の良いところもわからない。

そういう自信って、全部全部もらったもので、周りの人たちに与えられて、[なんとか]音楽続けてる。

大好きな音楽なのにおかしいけど、[なんとか]やってる。

でも今、この瞬間、音楽やっててよかったと思ってる。感謝しかないです。

[命もバンドも終わらない]とは、俺は言えない。

安心させてあげたいけど、できるなら言ってあげたいけど、いつも終わりが見えている。

過去も未来も全部大事です。だから、今この一瞬だけで燃やし尽くせないとしても。

過去を振り返るやつが弱いんじゃない、過去も未来も全部大事だって。

これからもそうやって生きていきたい。

改めて、出会ってくれてありがとう。最大の愛をこめて。

大阪、SHE’Sでした。

最後はあなたの歌です!

Photo by:MASANORI FUJIKAWA

 

En2 Curtain Call(Vo.エレキギター)

ここに立って 終わりまで

「君があって、僕だ」って

歌ってるよ ずっと

(Curtain Call)

 

井上竜馬(Vo.) 俺たちの音楽は!あなたの味方です!

Photo by:MASANORI FUJIKAWA

感想

「俺たちの音楽はあなたの味方だ」というメッセージは、歌詞で、音楽でそして今日のライブのはじめから終わりまで、私たちにずっと伝え続けられました。

Photo by:MASANORI FUJIKAWA

会場で一体となって熱狂し、盛り上がり、感動し、集中し、そしてSHE’Sのメッセージに包み込まれた2時間強は、間違いなく幸せな時間でした。

みなさんも是非、気になる曲があったら聴いてみて、そして気に入ったらライブに足を運んでみてください。

ライブに行って後悔することはないバンドです。

SHE'S公式サイト

 

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美味

美味

大学1年生

東京都

音楽、綺麗なもの、読書、御洋服が好きです。

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